代表コラム

GX-ZEH時代の幕開けと、エスイーエーが考える“これからの家づくり”【代表メッセージ】

2027年4月以降、経済産業省を中心に進められてきた住宅の省エネルギー改革が本格的に動き出します。
より高い省エネルギー性能の確保と、再生可能エネルギーの自家消費拡大を目的として、新たに 「GX ZEH」 が定義されました。
この制度要件には、断熱等性能等級6以上に加え、高度なエネルギーマネジメントシステムおよび蓄電池の導入が必須とされています。

これに伴い、今後ますます補助金制度の拡充が見込まれ、住宅の常識そのものが大きく変わる 転換期 に突入したといえるでしょう。

2026年も引き続き、政府による電気料金支援策の継続が予定されています。
一方で、AIの急速な普及や産業全体の電力需要の拡大を背景に、電力供給の逼迫はより深刻化し、電気料金の上昇傾向は続くと予測されています。

しかし、ここにこそ 住宅が担う新たな役割 が存在します。

意匠デザインや建材の選定を優先し、肝心である 「エネルギーを創り・蓄え・賢く使う仕組み」 を軽視してしまうこと。
これこそが、これからの時代における最大の過ちです。

私たちエスイーエーは、昼は創り出した電気を活用し、夜も電気を買わずに暮らす 「オフ暮リ®」 の実現を提唱しています。これは単に家計を守る取り組みではなく、慢性的な電力不足に直面する日本社会全体を支える 重要な選択肢 となり得ます。

2025年12月1日より、三省合同で推進される住宅省エネ改革政策 「GX-ZEH」 が制度として本格始動しました。
これにより、冬は寒く夏は暑い、エネルギー効率の低い住宅は市場から淘汰され、高断熱・高気密かつエネルギー自立性の高い住宅 が新たなスタンダードとして求められる時代へと移行していきます。

また、DR(デマンドレスポンス)社会の実装 を目的として実施された各種補助金制度は、いずれも短期間で募集枠が埋まるほどの高い人気を集めました。
これは、市場がすでに「スマートハウス」を強く求め始めていることの表れでもあります。

2030年に向けて、住宅・エネルギー分野ではさらなる制度改正や規制強化が続くと予想されます。
市場の動向を正しく読み取れば、「変わること」そのものが必然 であることは明らかです。

象徴的な出来事として、YKKグループによる Panasonic 住宅部門の傘下入りというニュースがありました。Panasonicのエネルギー制御技術「エネプラット」がどのように進化し、HEMS「AiSEG3」へとどのように統合価値を生み出していくのか、業界全体がその行方に注目しています。

エスイーエーが開発した 「AIクラウドHEMS」 は、主要メーカー各社からホワイトリスト認証を取得し、最新機器にも迅速・柔軟に対応できるプラットフォームとして進化を続けています。

さらに、経済産業省が推進する VPP(仮想発電所)構想 および DR社会の実現 に向け、地域工務店とそのユーザー様をリソースアグリゲーター経由で束ねることで、地域に分散した電源をつなぎ、「エネルギーの地産地消」を実現する新たな仕組み の構築を進めています。

ちょうど、ユニクロが「高品質 × 低価格」 を当たり前にし、冬物衣料の市場を変えたように、住宅においても、高性能でありながら、手の届く価格帯のスマートハウスを“標準”として普及させることが不可欠だと私たちは考えています。

GX-ZEHの本格始動は、住宅の役割が「単なる住まい」から 「社会インフラの一部」へと進化する節目 でもあります。