代表コラム

ZEHが導入された住宅販売の捉え方

エスイーエー株式会社代表コラム

ZEHの落とし穴

2016年4月からネット・ゼロ・エネルギーハウスが大手ハウスメーカー、一部の中小ビルダーの間で
本格始動しました。ここで大きな間違いを指摘させていただくと、「国は補助金ありきでZEHを
標準化している」のではない。という事に気づかないビルダーが多いという事実です。
一次エネルギーの削減に関しては、大手ハウスメーカーでは40%削減と言う「とてつもない目標」を
掲げています。外皮に関しては、その文字のまま「ハッサクのような家」を提案しています。
そして、高性能の冷暖房機、給湯設備などを鑑みても「高額出費」を前提にしたZEHを提案しています。
一般ビルダーの「らしさ」とは、「今の所得でも手に届くZEHの提案」であるべきなのに、
大手と肩を並べるようなZEHを提案しても、年収が追い付いてきません。
日本の一次取得者層の年収は、450万円以下がほとんどです。
しかも、2025年には31万戸に激減するというデーターを野村総研が開示しています。

 

中間層衰退 年収500万円未満世帯の増加

では、中小ビルダーが提案するZEHとは、どうあるべきか?

現在、中古住宅を商流する際には2018年以降は家屋調査士の診断を受けて「安全な住宅である」という
お墨付きの承認を取得してから販売が可能であるが、実際は建築年だけで価格が決定している。
熊本の震災を受けて、構造の重要さを身に染みて体験した施主も多い今こそが、
ZEHを併用した提案ができる「大チャンス」であると考えられる。
従来は、「高気密、高断熱は売り」であった。しかし、ZEHの普及が本格化すると
「ZEHにおける高気密、高断熱は常識」の範疇になり「競争原理」から「標準化」=「常識」という位置づけになったのである。

 

では、「一次エネルギーをどこまで削減すべきか?」という大きな壁が存在する。

私は「ベルス☆5」のみを取得できていれば十分であるという、「ZEH標準化」住宅を建築するべきである。と、声を大にして伝えている。よって、大手が販売している坪あたり100万円もする一次エネルギー40%削減などと言う「最高級ZEH」では無く、坪当たり50万円以下で出来る「ZEH標準化」が勝敗を区分すると、考えている。よって、補助金に関しても一次エネルギーだけを40%も削減する大手ハウスメーカーと同じ土俵で戦うのではなく、居住後に販売価格が低減されることのない「省エネ表示5☆」さえ達成していれば、顧客の安心、満足は担保できるはずである。
よって、断熱強化もソコソコにして、一次エネルギーの足らない分は「小面積大量発電できるモジュール」を採用すれば解決する。

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)BELS
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)BELS 5スターとは

 

建築場所のエネルギー基準に則して、外皮などで確保できなかったエネルギー消費量を「できるだけ狭い面積で高発電できる太陽光システム」でリカバリーしなければいけない。
具体的には1,6㎡あたり280w以上のモジュールである。(秋口には310wがお目見えする。)

 

小面積大量発電できるモジュール

(現在JET認定など販売へのスキームがウエストビギン内で着実に進んでいる)

 

熊本地震以降の構造躯体の考え方

 

構造は金具軸組みでドリフトピンと構造用合板にスチロール状の断熱材で高耐震性能と高気密を確保する。
安価で提案するうえで意識しなければいけない問題は、躯体は坪当たりせめて50,000円くらいで仕入れなければいけない。また高気密高断熱を維持するためには、構造用合板に断熱材セットの住宅を安価で提案できるためのコストダウンも大切な要因である。
当然、太陽光発電システムも売電価格から考慮すれば25万円くらいで販売しても、十分な利益確保が必須である。果たして、こんなコストダウンが実際に可能だろうか?
いや、できなければ中小ビルダーに「未来は無い!」と言ってもいいだろう。
最近の低金利ローンで審査が厳しくなっている現実を踏まえて、こうしたZEHの追加資金においては
高効率冷暖房機、高効率給湯器においても、「別仕立ての低金利ローン」をプラスαで考える思考回路も必要である。
まして、その設置費用の支払いはすべて「おひさま払い」という建てつけが肝要である。

いかがなものか?皆さんは、こうした戦略、戦術を持ち備えているのでしょうか?
ZEHは登録ビルダー制です。私は一次募集で27社を登録させました。
すでにこうした思考で設計された「新しいZEH」が動いています。
逆に、安価で「ZEHを達成」しているビルダーに顧客は相談をしている
コストダウンとは、もっとも高額な仕入れ金額から着手すべきです。

太陽光発電という再生可能エネルギーの動向について

すでに東京電力管内においてはグリッドパリティ(太陽光発電システムの設置費用から算出する電気料金と一般電力会社から購入する電気料金が同価格)に到達した。
今後は、全国の電力会社にも波及すると考えられている。
HEMSという省エネ、蓄エネ、創エネを考慮に入れるなら、太陽光の連系は余剰と言う「宅内通過売電」を考慮すべきである。これは、10kw以上の設置にも同じ考え方が大切である。
自家消費電力は共働き、就業児童2名と言う一般家庭では、毎月400kwhが分岐点である。
現在のPPS(新電力会社)は、毎月400kwh以上の電力消費には割安であるが、省エネをできた
一般家庭には「意味がない」のが事実である。

こうした一般電力会社の価格設定は「省エネ」と相反する電力事情が浮き彫りになっている。
電力を使わなかった人を「大いに褒める」。それは、高齢者が医者にかからなかった人を厚生省が
褒めるという制度、年金を追加支払いするような考え方でもある。

「太陽の電気」「エコめがね」が太陽光発電システムの拡販に貢献します。

 

では、国内でこうした「電気を使わなかった分、電気料金を安くできる電力会社」は
存在するであろうか?「NTTスマイルエナジー」という「エネット」という日本最大の再生可能エネルギーから作った電気を供給しているPPSとの連携で午前10時から午後4時までは、再生可能エネルギーのみを供給するPPSから電力を購入することを薦めている。
しかも、太陽光で発電した電気を1円高く買い取ってくれる。

こうした再生可能エネルギーだけで暮らす手立てを導入した住宅こそが、「未来派ZEH」である。
今後、急変する「エネルギー事情」でも後悔しない家づくりを提案できる「住宅会社」のみが
31万戸という厳しい条件下で生き残れるビルダーであろう。